〈“揺らす”だけでもかなり違うのです〉

 

 

 整体では、あまり使わないかもしれませんが、マッサージなどでは使う“揺らす”施術のお話です。


 足や手をつかみ、揺り動かすような感じで、上下や左右にうごかしたり、直接筋肉を掴み揺り動かしたりと、見た目にはそんな感じです。

 一般的には、筋肉や腱、関節をリラックスさせる効果があると言われていますが、シモザワ整体では、「それ以上の効果」をバッチリ出すことが出来ます。

 

 足を持って揺らす施術がとても気持ちいいと感じたクライアントが、一時流行った「金魚運動」マシーンを購入して使ってみたら、施術とのあまりの違いに、とても驚いていました。マシーンだと、全然気持ちよくないというのです。

 そりゃそうですよ。シモザワ整体の“揺らす”は、そんじょそこらのものとは違うのですから。適当に揺り動かしていても、そう上手くはいきません。


 気功教室の生徒同士で、この施術の練習をしても、力任せに揺らしたり、おっかなびっくりでチョロチョロと動かしたりと、やり方の指示をしなければ“足を持って揺らす”以上の目的をもって施術する人は殆どいません。もちろん、それでは施術の効果も月並みです。


一般的な揺らす効果以上の効果を出そうとするならば、それ以上の目的をしっかり持って施術する必要があるのです。



まず、前回お話ししたので、足を“持ち上げる”だけでも大きな違いが出るのは、何となくでも解りまたね。

今回はプラス「足と胴体の連動性」と、「その時の背骨の動き」を持ち上げた時に手で感じ取ります。


持ち上げた時、ガッチリと固定されたように連動性が無くなっている状態の足は、実際の足の重さよりも重く感じ、胴体が足にくっついてくるように動きます。かといって、妙に軽いのも要注意。足と胴体が途切れた状態で連動性が無くなっていると軽く感じ、足が胴体と離れているように動きます。


 胴体の動きが無くなっている所や、離れている所によって持ち上げる足の角度を変えていき、その部分が正常な動きを取り戻せるように、揺らす強さや速さ、揺らすストロークも変えて足を横に揺らしていきます。


背骨には縦方向と横方向の動きがありますから、揺らしながら、常に足からの背骨や胴体への力の伝達状態を手と目で把握しつつ動かし方を変え、最終的には、この横揺れの震動が、きれいに波打つように頭まで伝わっていけば成功です。


 イメージでいうと、お祭りなどで売っている、プラスチックの蛇のおもちゃの動きに似ています。各接続部分が波打つように動くあれです。


 ただし、注意しなければならないのは、一見して背骨が波打つように動いているように見えても、動きが無くなっている所を飛ばして波打つこともあるので、よく観察し、感覚でも察知していかなければ、つい見落としてしまうでしょう。


 このように揺らした時、施術を受けている方は、ただ揺らされている時とは全く違う気持ちよさを感じるのです。体が正常に戻っていく気持ちよさです。


 

 この施術で大切なのは、“筋肉を揺らす”事ではなく、揺らす動きの中で“連動性を取り戻す”事にあるのです。


 では、どのように揺り動かせば、連動性を取り戻すのでしょうか。

こればっかりは言葉だけで説明する事は無理です。言葉どころか、実際に見せながら説明しても、直ぐに出来るようになる人は殆どいないでしょう。職人技とでも言いましょうか、繊細な感覚と鋭い観察力で、どこまで把握出来るかで揺らし方は変わってきますから、私と先生では揺らし方も効果の大きさも、全く変わってしまうのです。