〈弱い力なのは理由があるのですパート2〉

 

 では、どんな理由があるのか。これには沢山の理由があります。


 一つには、体への負担が少ないという事です。強い力で筋肉を揉みほぐせば、筋肉や毛細血管を傷つける事にもなり、揉み返しと言われる現象の原因にもなります。


 もう一つには、強い力では、痛みや恐怖で身体に力を入れてしまうような方には、弱い力の方が表面の筋肉だけではなく、歪みの原因にもなる深層筋に働きかける事が出来るという事です。


 でもこの例は、一般的な施術での話。


 じつは、シモザワ整体独自の施術だからこその理由もあります。その一つを今回はお話しましょう。

 

 体を動かして痛みがある時、痛い所をなるべく痛くないようにするため、無意識にその部分に力を入れている事があります。その場合は、寝るなど力を抜ける姿勢になっても、力は入ったままです。


 無意識ですから、こちらが「力を抜いて下さい」と言ったところで、力が入っている事にも本人は気づきません。当然、体には負担がかかっています。これが緊張や、硬直の原因にもなります。


 このように、筋肉に強い緊張があり、無意識に力が抜けなくなるほど硬直していると、どうしても強く押して何とかしたくなるものですが、硬直する事でその部分を守っている場合も多く、ここを直接押して緩めようとしても、その緊張はなかなか言うことを聞いてはくれません。


 そこでこの場合、直接ではなく、他の部位から筋肉の連動を活かしてアプローチし、原因を解除していく事になります。連動と聞くと、体自体を動かさないと筋肉の連動作用は起きないように感じると思いますが、“押す”だけでも筋肉には動きが発生し、ごく微量の力ですが、ちゃんと連動作用が起きます。


難しいのは、この押す部位もその硬直した筋肉だけと連動している訳ではないということです。

アプローチしたい筋肉との連動作用を起こそうとすると、そのために必要な力を加える強さ・角度・力の方向が、かなり厳密になってきます。少しでもそこを間違えると、違う部位との連動になってしまうからです。


そのために“ピッタリ”の強さが弱い力であれば、必然的に弱い力で施術をする事になるのです。


 勿論、そのピッタリの強さが強い力であれば、その時は強い力で施術をする事にもなります。

 

 他の場合でも同様ですが、シモザワ整体の施術で、目的のない施術はありません。


前項目でもお話しましたが、必ず操作目的が存在し、その時その時で弱い力がベストと判断すれば弱い力になるますし、強い力がベストと判断すれば強い力で施術を行う事になるのです。


 ですから、弱い力で施術するだけではなく、ごく稀にですが、こんなにして大丈夫? と思う程の強い力で施術を行う方も、中にはいらっしゃいます。

 

 そして、弱い力の施術の究極が、じつは気功術での施術になるのですが、この説明は私には難し過ぎて今は出来ません。

 どうしても知りたい方は、是非“慧真導気功術”の門を叩いて、直接下澤先生から指導を受けて下さい。

 きっと、アンビリーバブルな、思いもよらなかった未知なる世界へと誘い、新しい事を知る喜びを与えて下さると思います。